令和7年5月22日(日)、神奈川県スポーツ医科学センターにて、当法人主催による「スポーツ競技者のためのケガ予防セミナー」を開催いたしました。地域のスポーツクラブや学校の指導者、若手アスリート、保護者など45名の方々にご参加いただき、活気あふれるセミナーとなりました。
セミナー内容
第一部:スポーツ外傷・障害の基礎知識(13:00〜13:40)
高橋誠一整形外科医師より、スポーツによって生じやすい外傷・障害について、発生メカニズムと最新の治療法に関する講義が行われました。特に成長期のアスリートに多い「成長痛と思って放置してはいけない症状」について、具体例を交えた解説は参加者の関心を集めました。
第二部:競技種目別予防トレーニング(13:50〜14:50)
鈴木康平理学療法士とスポーツトレーナーの山田直子氏による実技指導が行われました。参加者は陸上、球技、ラケット競技などの種目別グループに分かれ、競技特性に合わせたウォームアップ方法やコンディショニングテクニックを学びました。特に下肢の怪我予防に焦点を当てた「プライオメトリックトレーニング」の実践は、指導者から高い評価を得ました。
第三部:パフォーマンス向上のための栄養学(15:00〜15:30)
管理栄養士の中村美香氏から、スポーツパフォーマンスを高め、怪我を予防するための栄養摂取について講義がありました。試合前後の食事内容や水分補給のタイミングなど、即実践できる具体的なアドバイスに、参加者は熱心にメモを取っていました。
第四部:パネルディスカッション(15:40〜16:20)
「スポーツ外傷・障害からの効果的な復帰方法」をテーマに、講師陣によるパネルディスカッションが行われました。実際の復帰事例をもとに、医師、理学療法士、栄養士、トレーナーそれぞれの視点からアプローチ方法が提示され、多角的な議論が展開されました。
参加者アンケート結果
アンケートにご回答いただいた40名の結果は以下の通りです:
- セミナーの満足度:「大変満足」75%、「満足」22%、「普通」3%
- 実践への活用意向:「すぐに活用したい」88%、「検討したい」12%
- 今後希望するテーマ:「競技復帰のリハビリ」「メンタルトレーニング」「テーピング技術」が上位
参加者からの声(一部抜粋)
- 「理論と実践が組み合わさったプログラム構成が非常に良かった。選手の指導に早速取り入れたい」(高校サッカー部指導者)
- 「栄養面からのアプローチも学べて総合的な知識が得られた。子どもの食事管理の参考になった」(中学生アスリートの保護者)
- 「各競技に特化した内容で実践的だった。定期的にこのようなセミナーがあると嬉しい」(陸上競技指導者)
今後の展開
今回のセミナーでは、スポーツ医学の専門知識を現場の指導に活かせる実践的な内容を重視しました。アンケート結果からも、このような医療と現場をつなぐ取り組みへの高いニーズが確認できました。今後の活動として、以下を計画しています:
- 8月に「夏季スポーツにおける熱中症予防と対策」セミナーの開催
- 秋季から地域スポーツクラブへの定期的な出張指導の実施
- 指導者向け「スポーツ傷害予防マニュアル」の作成と配布
当法人では、医療従事者とスポーツ現場の橋渡しとなるべく、今後も定期的にセミナーや研修会を企画してまいります。次回のセミナーは8月7日(日)に「熱中症予防と夏場のコンディショニング」をテーマに開催予定です。詳細は7月初旬に当ウェブサイトにて発表いたします。
多くの皆様のご参加ありがとうございました。今後とも当法人の活動へのご支援をよろしくお願いいたします。